初冬の候、朝夕めっきり寒くなりました。皆さまにおかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、「賢治街道を歩く会」を発足しましてから、はや5ヶ月の月日が流れました。同会は、宮沢賢治の足跡や作品と米里の関わりの深さを後世に正しく伝え、子どもたちに自分の古里へ誇りを持ってもらおう、という趣旨のもとに発足したわけですが、これまでに多くの催しや活動を行うことができ、改めて会員はじめ、ご賛同いただきました皆様方のご協力に感謝申し上げる次第です。
例えば、6月・7月の佐伯研二氏による賢治と米里の関わり及び米里の歴史についての講話会、8月には市立人首、木細工の両小学校教育振興会との共催により、種山ヶ原の星座の森及び水沢宇宙遊学館で「星めぐりのたび」を繰り広げましたが、児童や保護者約70人が参加し、大変有意義で貴重な体験となりました。また9月には、賢治研究家として名高い盛岡在住の吉見正信先生に「宮沢賢治と種山詩圏」と題して貴重なご講演をいただき、改めて人首と賢治の関わりの深さを再確認した次第です。
さらに花巻・大迫地区の賢治関連施設を見学し、研修の場としました。その後、第1回映画会として「風の又三郎」及び「農村の子ら」を開催しましたが、共に多くの参加者を得、これもまた思い出深いひとときとなりました。
そして、この10月には、待望久しく「人首・賢治マップ」が完成し、それを基に米里の賢治と関連の深い場所を中心に、案内板の設置という段階にまで、ようやく漕ぎ着けつけることができました。今後、賢治が歩いたであろう道を資料に基づいて整備し、来春「賢治街道を歩く会」を計画しています。なお、人首は「遠野物語」の成立過程と深く関わった佐々木喜善の「江刺郡昔話」の中心をなす地域ですが、例えば「ひょっとこ」の謂れとも言われる火男のお面などが今も残っております。今後調査を進め、それらの逸話等も提供して参りたいと思います。
つきましては、この会の取り組みにご賛同をいただき、賢治街道を歩く会へのご加入お願い申し上げる次第です。
平成21年12月吉日
賢治街道を歩く会 会長 山崎 勝