旧五輪街道開通しました! 五輪峠~上大内沢

5月1日午後、7名のご協力を得て、倒木等で通行できなかった旧五輪街道が整備され歩けるようになりました。倒木も40本程あり、笹も伸び放題で処理に苦労しましたが、無事歩けるようになりました。この峠は伊達藩と南部藩の藩境でもあり、戦いはもちろん、交易の重要な峠でもありました。遠野で馬を買い、峠越えをする人々で賑わったところでもあり、峠の麓「上大内沢」には番所もあり、酒屋やうどんや等もありました。屋号も今尚「酒屋」「おどや(うどんや)」として残っています。この旧五輪街道は、坂本龍馬の従兄弟澤邊琢磨、俳人河東碧梧桐、宮沢賢治、柳田國男、佐々木喜善等も越えた峠でもあります。峠から市道まで40分ほどかかりますが、今山桜、こぶしの花、カタクリの花が見頃です。狐狸穴熊はもちろん、熊も出ますが、熊にはご注意を!
尚、高齢者にとって下りてまた上るのは大変だと思います。私に時間がある時は、車で上大内
沢から峠までお送りしますので、右記にご連絡ください。(℡090-5597-2340山崎)
※五輪街道は県道147号線。昭和31年に江刺―遠野道が完成。かつては江刺―遠野のバスも
通っていました。

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「五輪峠」詩群③ 

『五輪峠』

「下書稿(二)手入れ/春と修羅第二集  一九二四・三・二四

(二)

宇部何だって?……

宇部興左エ門?……

ずゐぶん古い名前だな

何べんも何べんも降った雪を

いつ誰が踏み固めたでもなしに

みちはほそぼそ林をめぐる

地主ったって

君の部落のうちだけだろう

野原の方ももってるのか

……それは部落のうちだけです……

それでは山林でもあるんだな

……十町歩もあるさうです……

それで毎日糸織を着て

ゐろりのへりできせるを叩いて

政治家きどりでゐるんだな

それは間もなく没落さ

いまだってもうマイナスだらう

向ふは松と岩との高み

その左にはがらんと暗いみぞれのそらがひらいてゐる

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「五輪峠」詩群②

『五輪峠』

「下書稿(一)手入れ/春と修羅第二集  一九二四・三・二四

「何べん降った雪なんだが
いつ誰が踏み固めたでもなし
みちのかたちなってゐる」
雪みちがぼそぼそとして
雑木林の肩をめぐれば
向こうふは松と岩との高み
その左には
がらんと暗いみぞれのそらがひらいてゐる
そここそ峠の下り口だ
「あれがほんとの峠だな
いったいさっきのあの楢の木の柵にある
あすこを峠とおもったために
みちがこんなに地図に合わなくなったんだね」
藪が陰気にこもってゐる
そこにあるのはまさしく古い五輪の塔だ
苔に蒸された花崗岩(みかげ)の古い五輪の塔だ

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